画家ニコラ・ド・スタールの生涯 私がド・スタールの絵を初めて見たのは昭和四十二年頃。美術雑誌の一頁を見てからである。その絵は一面コバルトブルーの虚空の中を数羽の黒い鳥がとんでいるという絵であった。私は一気に魅せられてしまった。